サラッと軽やかで、肌触りのよいナイロン素材。
ワンピースやトップス、ボトムスなど幅広く使われていて、特に汗ばむ季節には出番の多い素材のひとつです。
でもこのナイロン、他の素材に比べて薄く繊細なため、「アイロンをかけていいの?」「テカリや傷みが出ないか心配…」という声をよく耳にします。
この記事では、ナイロン素材の衣類にアイロンをかける際の注意点や、失敗しないための正しいかけ方をわかりやすくご紹介します。
素材にやさしく寄り添いながら、きれいに整えるコツを、一緒に確認していきましょう。
【基礎知識】ナイロン素材にアイロンはかけられる?
ナイロンは熱に弱いデリケートな素材
ナイロンは、夏の装いにぴったりな軽やかで通気性のよい素材。
その一方で、熱に弱くデリケートな性質をもつため、「アイロンをかけていいの?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
ナイロン素材にもアイロンは使える
結論から言うと、ナイロン素材の衣類にもアイロンはかけられます。
ただし、コットンやポリエステルのように高温で一気にかけるのは避けてください。ナイロンは熱に弱いため、低温設定にしたうえで、ていねいにケアすることが大切です。
洗濯表示(アイロンマーク)を必ず確認する
また、衣類についている「アイロンマーク」の表示も確認しておきましょう。
アイロンに「×」マークがある場合は基本的に使用NG。目安として「低温(1つ穴)」表示であれば、ナイロン向けの温度に対応しています。
ナイロンにはアイロンが使える――でもそれは「正しい方法を守ること」が前提です。
次の章では、シワをきれいに整えるための具体的なアイロンがけの方法をご紹介していきます。
【正しいかけ方】ナイロン衣類のアイロンがけ手順
ナイロン素材は、軽やかで丈夫な一方で熱にはとても敏感です。
そのため、ちょっとした油断がテカリや生地の傷みにつながってしまうことも…。
ここでは、安心してお手入れできるように、正しいアイロンがけのポイントを3つのステップに分けてご紹介します。
短時間で済ませるのがポイント
ナイロン素材のアイロンがけでまず大切なのは「とにかく短時間で仕上げる」こと。
ナイロンは熱に弱く、同じ場所に長く当てると、逆にシワやヨレができたり、生地が溶けてしまう恐れがあります。
温度設定は、必ず「低温」または「ナイロン」マークに合わせましょう。
一度に広範囲をかけようとせず、小さな範囲をさっと動かすように、5秒以内を目安に断続的にアイロンを当てるのがコツです。
裏返して・あて布をして丁寧にかける
ナイロン素材は、アイロンの直接的な熱や摩擦にとても敏感です。
そのため、必ず裏返してから、薄手のあて布(綿のハンカチやガーゼなど)を使ってかけるようにしましょう。
とくにファスナーやボタン、レースや装飾のある部分はデリケートなので注意が必要です。
裏側からアイロンをかけることで、表面のテカリやダメージを防げるだけでなく、アイロンの滑りもよくなり短時間で仕上げやすくなります。
アイロン後は冷めるまで動かさない
意外と見落とされがちなのが、アイロンをかけた直後の取り扱いです。
熱が残っている状態で衣類を動かしてしまうと、せっかく整えたシワが再びできてしまったり、形が崩れる原因になります。
ナイロン素材は冷めるときに形が定着しやすいため、アイロンがけのあとはすぐにたたまず、ハンガーにかけたまま冷ますのがおすすめです。
少しの工夫で、仕上がりがぐっと美しくなりますよ。
【注意点・NG例】やってはいけないナイロンのアイロンがけ
ナイロン素材のアイロンがけは、ポイントを押さえればきれいに仕上がりますが、少しの油断でダメージにつながってしまうことも。
ここでは、よくある失敗例や避けたいポイントをまとめてご紹介します。
スチーム機能の多用はNG
スチームアイロンは便利ですが、ナイロン素材には慎重に使う必要があります。
ナイロンは水分と熱に弱いため、強い蒸気を長く当てると、生地がふやけたり変形してしまう可能性があるのです。
しっかりシワを伸ばしたい場合でも、乾いた状態の低温アイロン+あて布が基本。
どうしてもスチームを使うときは、距離をとって“軽く蒸気をかける”程度にとどめましょう。
熱を当てすぎて溶けてしまうケース
ナイロンにとって高温は大敵。
「少しくらいなら大丈夫かな」とアイロンを長めに当ててしまうと、素材が溶けたり、テカリや縮みが出ることもあります。
一度溶けたナイロンは元に戻せないため、特に新品やお気に入りの服ほど慎重に扱いましょう。
焦らず、短時間×低温を心がけることが大切です。
縫い目・ロゴ・装飾パーツの取り扱いに注意
ナイロン素材の衣類には、ロゴプリント・ワッペン・ラバーパーツなどが付いていることもあります。
こうした部分は熱に弱く、直接アイロンを当てると溶けたり、剥がれてしまう可能性があります。
また、縫い目や切り替え部分は厚みがあり熱がこもりやすいため、一気にアイロンをかけるのではなく、部分ごとに軽く押さえるように仕上げましょう。
【まとめ】ナイロンへのアイロンがけは慎重に
ナイロン素材の衣類は、軽やかで着心地もよく、夏のおしゃれに欠かせない存在。
でもその反面、とても熱に敏感なため、お手入れにはちょっとした注意とコツが必要です。
今回ご紹介したポイントを、あらためて整理しておきましょう。
- 温度は必ず低温に設定し、短時間で仕上げること
- 裏返して、あて布を使うこと
- アイロンのあとは、冷めるまで動かさず形を整えること
また、アイロンをかけるのが不安なときやシワが軽い場合は、無理にかけず「吊るし干し」や「スチームを少し離して当てる」など、別の方法を選ぶことも大切です。
無理にシワを伸ばそうとするのではなく、**“素材に寄り添いながら整える”**という意識が、ナイロンと長く付き合うコツかもしれません。
お手持ちのナイロンアイテムが、これからも心地よく、美しい状態で活躍しますように。
もし迷ったときは、いつでもYUVENIR STYLE LABの記事を参考にしてみてくださいね。
よくある質問(FAQ)
ナイロン素材のお手入れは、慣れるまでは少し迷うことも多いですよね。
ここでは、よくいただくご質問にお答えします。
- Q1. ナイロンのシワを取る方法はアイロンしかない?
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いいえ、アイロン以外にもシワを整える方法はあります。
たとえば、ハンガーにかけて吊るし干しするだけでも、軽いシワであれば自然に伸びることがあります。
また、浴室の湯気を利用してふんわりとシワを取る「スチーム効果」もおすすめです。
※スチームは直接当てすぎないよう注意しましょう。 - Q2. ナイロン100%の服でもアイロンはかけられますか?
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基本的にはかけられますが、必ず洗濯表示を確認してからにしましょう。
「アイロン不可」のマークがついている場合は避けるのが安心です。
ナイロン100%の生地は特に熱に敏感なので、必ず低温設定+あて布を使用して、短時間でやさしく仕上げるようにしましょう。 - Q3. アイロンでもシワが取れないとき、どうしたらいい?
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無理に高温で押しつけるのは避けましょう。
そんなときは、スチーマーを離して当てる/ぬるま湯で霧吹きして吊るす/洗濯後の脱水時間を短くするなど、シワの原因に合わせた工夫がおすすめです。
どうしても難しい場合は、アイロンがけよりも自然乾燥で形を整える方法を選ぶと、生地へのダメージも最小限に抑えられます。